検電器とは
検電器...いまさら何を?と思うかもしれませんが確認をします。
読んで字のごとくですが、しらべるでんきのうつわ。
電気は目で見ることはできませんからそこに電気が通っているかを確認するためのものになります。
使用する場面としては、コンセントに電気が来ているかの確認、特定の回路の絶縁抵抗測定をする前に電気が来ていないことの確認に使用するなどいろいろあります。
感電から自分の身を守る道具として電気屋は持っているべきものの1つです。
また選び方は後述しますが、用途別に低圧なのか高圧なのか、交流なのか直流なのかで使用する検電器は異なりますので注意したいところです。
高圧検電器の選び方
検電器の検出方式には大きく分けて2つ、ネオン発光式検電器と電子回路式検電器があります。現時点では電子回路式検電器が主流なためこちらについてまとめていきます
使用電圧で選ぶ
(低圧用)
使用電圧:AC600V以下DC750V以下
使用場所:一般家庭・オフィスなどの分電盤・配線・コンセント太陽光発電システム(DC)など
(高圧用 ※低圧兼用)
使用電圧:AC600V超え7000V以下
使用場所:工場・ビルの高圧設備、配電線など
(特高用 ※高圧兼用)
使用電圧:AC7000Vを超える
使用場所:発電所、一次変電所、鉄道用など
タイプから選ぶ
伸縮タイプ
全長:20~23cm(伸ばすと約85cm)
短尺タイプ
全長:20~30cm
充電部近接の定義が頭上30cm、躯側・足下60cm。 それ以内に入るときは高圧ゴム手袋が必須なため短尺タイプで検電する際は高圧ゴム手袋の着用が必須。(伸縮タイプではしなくてはいいというわけではない)
用途で選ぶ
直流
太陽光設備や直流耐圧、電子回路などで使用
交流
低圧設備、高圧設備の基本はこっち
検電器の使用方法
1.事前準備
・電池が入っているか確認する
・感度調整できるタイプのものは調整しておく
2.検電までの流れ
・「TEST」を押して鳴動を確認する(電池チェック)
・電源を入れる(ある場合)
・絶縁体部をしっかり握り、検電対象に接触させる
※高圧検電の場合は必ず高圧用絶縁手袋を使用する
・検電器の点滅ぐあいで活線かどうか判断する
検電器の使用の注意点
1.事前確認
検電前に電路の状態を確認する(表示ランプ等で停電しているか)
2.使用電圧に注意
その検電器が電路の電圧にあっているかを確認する(低圧なら低圧用)
3.高圧近接作業なのかどうか
高圧検電の際、電路から60cm以内に接近するときは絶縁保護具の着用が必要です
短尺タイプの高圧検電器を使う場合は絶縁ゴム手袋を着用が必須
4.横着しない
検電したところがN相(中性点接地のB種あり)の場合活線でも反応はない
各相すべて確認してから作業する
5.高圧ケーブルの検電場所
高圧ケーブルは、導体が導電テープで遮へい接地されているので被覆の上から検電ても反応はない
検電する場合は端末処理がされている機器接続部分の近く
6.自主検査
検電器は法的(労働安全衛生規則)に決められた定期自主検査の対象外
しかし安全のためには半年に1回(ものによっては1年に1回)
最後に
検電器を作っているメーカーは複数あります。特に優劣はないので自分の気に入った物を選べばいいと思います。(代表例:HIOKI・長谷川電機工業・共立電機)
6.6kV系の高圧設備を見るのであれば、低圧用1本、高圧用1本で十分ですよ。